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日本に住む私たちのすぐ身近に森と山があります。日本の国土の約73%が山地、約66%が森林に囲まれています。一方、人の住む宅地はたったの5%に過ぎません。山と森が私たちの暮らしに大きく影響するにも関わらず、ますます都会化される現代から、その山と森と人間社会との関係が遠ざかります。
少し前まで人が山と森と共存できた時代があったはずです。厳しい自然環境から生まれた知恵や信仰が人間の生活を形づけ、環境問題や持続可能性が注目される現在には、その少し前の暮らし方や価値観から教えられることは少なくないのではないでしょうか。

徳島県神山町にあるNPO法人グリーンバレーを拠点に、神山町に住む映像作家長岡参と、外国人の作家達が、現代わずかに残る少し前まであたりまえだった、日本各地の「森と共に生きる暮らし方」を探ってゆきます。

一見無関係に思える物事を重ねて結び、なにかを浮かび上がらせるため、歩き、見、聴き続けた。これはその記録である。



『産土』2013年公開

産土とは、人が生まれた土地、またその土地の守り神のことをいう。人が生まれる前から死んだ後まで、その人のことを守り続けると信じられて来た。
今、都会に住む僕らが忘れてしまい、もはや誰も顧みなくなった「日本」という大きな産土の姿を、僅かにでも、少しだけでも、もう一度取り戻すため、長岡参を中心とした6人の作家たちが北は山形から南は沖縄までをキャラバンを組み巡回した。
悪化する一方の森の問題、限界集落や獣害や土砂災害、または山の奥地にある集落の現在……。
そしてそこに棲む山師たちやマタギ、有機農家、そして山伏、はたまた沖縄の漁師に至る人々たち。一見無関係に思えるそれらの物事を重ねて結び、なにかを浮かび上がらせるため、歩き、見、聴き続けた。

第一部「森と限界」
第二部「あたりまえの生活」
第三部「山伏と神の島」

【撮影・取材場所】
徳島県那賀郡那賀町木頭/長野県飯田市/山梨県早川町/山形県鶴岡市、西置賜郡飯豊町/島根県吉鹿足郡吉賀町柿木、益田市匹見町/沖縄県南城市知念久高



『産土—壊—』2014年公開

二作目となる『産土—壞—』では、前作『産土』のテーマである山の諸問題や限界集落の取材から一歩進み、「産土」という言葉の意味についてより深く探求しようとした。
震災で多くを失った福島に生きる人々の現実と希望、静岡の川の上源流に残る古い伝承と智慧、福井の産土が敷かれた産小屋と祭、徳島の林業、鹿児島の聖なる木……。それらの様々な「現在」を横断しがら、古色蒼然とした雑多なものの中から、これからへのヨスガ=手懸りを探そうとした記録である。

第一章 「残光」
第二章 「気配」
第三章 「森」
第四章 「拓土」
第五章 「山崖」
第六章 「産神」

【撮影・取材場所】

福島県双葉郡川内村、会津若松市・仮設住宅、田村市船引町、田村郡三春町、郡山市西田町/徳島県吉野川市美郷、那珂郡那賀町/鹿児島県指宿市/千葉県四街道市鹿放ヶ丘/静岡県天竜区水窪、袋井市西同笠、葵区井川/福井県大飯郡おおい町大島、敦賀市常宮、敦賀市色が浜/他